「胃がん」は予防できる病気♪我が子を「胃がん」から守ろう*

「胃がん」は治る病気
「胃がん」はかかる人も多く、死ぬ人も多い怖い「がん」です。ですが、「胃がん」は他の「がん」と違って、原因がはっきりしているため予防策のとりやすい「がん」でもあります。
そして、「胃がん」は早期発見できれば90%以上の確率で完治できる「がん」です!予防・早期発見のために、しっかりとポイントを押さえておきましょう♪
「胃がん」は”がん死亡数ランキング3位”
「胃がん」について良く知るために、2020年7月6日に国立がん研究センターから発表された、2018年の「がん」による死亡数ランキングを見てみましょう。
男性 | 女性 | 男女計 | |
1位 | 肺がん | 大腸がん | 肺がん |
2位 | 胃がん | 肺がん | 大腸がん |
3位 | 大腸がん | 膵臓がん | 胃がん |
4位 | 膵臓がん | 胃がん | 膵臓がん |
5位 | 肝臓がん | 乳がん | 肝臓がん |
「胃がん」は、男性の死亡数2位(28,843人)、女性の死亡数4位(15,349人)、男女計の死亡数3位(44,192人)です。
日本人は「がん」で亡くなる人が最も多いですが、その中でも「胃がん」は「肺がん」「大腸がん」に次いで3番目に亡くなる人の数が多いということですね。
「胃がん」は”がん罹患数ランキング2位”
続いて、2020年7月6日に国立がん研究センターから発表された、2017年に新たに診断された「がん」のランキングを見てみましょう。
男性 | 女性 | 男女計 | |
1位 | 前立腺がん | 乳がん | 大腸がん |
2位 | 胃がん | 大腸がん | 胃がん |
3位 | 大腸がん | 肺がん | 肺がん |
4位 | 肺がん | 胃がん | 乳がん |
5位 | 肝臓がん | 子宮がん | 前立腺がん |
「胃がん」は、男性の罹患数2位(89,331人)、女性の罹患数4位(40,144人)、男女計の罹患数2位(129,476人)です。
「胃がん」は、罹患数は2位ですが、死亡数は3位。「肺がん」や「大腸がん」と比べると、比較的治る人が多い「がん」だと言えます。
「胃がん」の原因






「胃がん」の主な原因は、「ピロリ菌」
日本人がかかる「胃がん」の99%は、「ピロリ菌」が原因です。ピロリ菌の感染経路はまだ解明されていませんが、衛生状態の悪い環境で感染すると言われています。主に65歳以上の方が上下水道が普及していなかった時代に井戸水などから感染しており、上下水道が整備された現代の日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。



ピロリ菌は胃の中の酸性が弱い幼児期(2~3歳)に感染すると言われており、大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられています。
しかし、井戸水を飲んで育っていない世代もピロリ菌に感染している場合があり、それはピロリ菌に感染している大人から子どもへの食べ物の口移しが感染経路だと考えられます。そのため、子どもを胃がんのリスクから守るために、祖父母・父母の唾液が子どもの口へ入るような行為は控えるようにしましょう。



「胃がん」の予防策






「胃がん」の予防策は、「ピロリ菌検査」と「ピロリ菌の除菌」
「胃がん」の予防策はシンプルです。体内にピロリ菌がなければ99%胃がんにはならないので、まずは体内にピロリ菌がいるか検査しましょう。
病院でも検査できますが、最近はネットでピロリ菌検査キットを購入して、自宅で検査、郵送やメールで結果通知を受けることも可能です。大人になってからは感染しないので、一生に一度検査を受けておけば、その後はずっと安心です。
2~3歳のころにピロリ菌に感染する恐れがあるので、子どもも10代のうちにピロリ菌検査をしておくと安心です。
ピロリ菌検査の結果「ピロリ菌」が体内にいると判明した場合は、病院で「ピロリ菌の除菌」を行いましょう。「ピロリ菌の除菌」を行うと、その後「胃がん」が発症するリスクを3分の1に下げることができます。
「胃がん」の初期症状






「胃がん」は、初期段階ではほとんど症状が出ない。
「胃がん」の初期症状は「消化不良」「胃の不快感」「食欲低下」「胸焼け」などがありますが、ほとんどの場合は症状が出ないか、ただの胃の不調として捉えられてしまいます。
「胃がん」が進行して出てくる症状としては、「胃の痛み」「嘔吐」「倦怠感」「黒色便」などがあります。
「胃がん」は初期症状があまりない「がん」だからこそ、「予防」と「早期発見のための検診」が重要です。
「胃がん」の早期発見






「胃がん」の早期発見には、「胃X線検査」と「胃内視鏡検査」が有効
「胃がん」は早期発見できれば90%以上の確率で完治できる「がん」で、「胃がん」の早期発見のために主流なのは「胃X線検査」と「胃内視鏡検査」です。
「胃X線検査」はバリウムと発泡剤を飲んでから胃の中の粘膜を観察する検査です。検査の感度(がんがある人を正しく診断できる精度)は70~90%と高精度です。



「胃内視鏡検査」は、胃の中を内視鏡で直接観察する検査です。胃内視鏡検査ではまだ初期の小さな病変を見つけることが可能で、感度は77~89%です。



「胃がん」の検診は、40歳以上の場合、胃内視鏡検査であれば2年に1回、胃X線検査であれば年1回の受診が推奨されています。
「胃がん」まとめ
◎「がん」の中でも「胃がん」で死ぬ人は3番目に多い
◎「胃がん」の原因は99%が「ピロリ菌」
◎「ピロリ菌検査」と「ピロリ菌の除菌」が予防に有効
◎「胃がん」は初期症状がほとんど出ないので、検診を受けないと見つかりにくい
◎「胃の痛み」「嘔吐」「黒色便」などの症状があれば、迷わず病院へ行って検査する
◎「胃がん」の早期発見のために、40歳を過ぎたら「2年に1回、胃内視鏡検査」か「毎年、胃X線検査」を受ける